サッカー指導者の皆さん、普段のトレーニングで効率の良さを意識していますか?
効率と言われると機械的な感じがしてしまうかもしれませんが、良い練習には欠かせない要素です。
こんな経験ありませんか?
次なんのメニューをやろうか練習中に考えてしまう
対面パスの時、並んで待っている時間のほうが多い
プレーを止めてコーチが話している時間が長い
初心者コーチは誰しもが経験していることでしょう。
ですが、トレーニングは選手がたくさんプレーしてこそ意味があります。
そこでトレーニングの効率を上げるためには、待ち時間を減らすことが重要です。待ち時間は、選手が練習に集中できないだけでなく、練習の進行を遅らせ、チームのパフォーマンスを下げることにもつながります。
今回は待ち時間を減らし効率の良さを求めるためのテクニックを紹介します。
・準備で9割は決まっている
・無駄のない配置や柔軟な対応力
・選手やスタッフと協力して充実したトレーニングをできるようになる
トレーニングで大事なことは反復!
よりたくさんのプレー機会を作ってあげよう!
待ち時間が発生する原因
待ち時間が発生する原因はいくつかあげられますが、代表的なものは次の3つです。
- その日の練習メニューをぶっつけ本番で行っている
- 一人当たりのプレー時間を考えずにメニューを決めている
- 選手やほかのスタッフに任せられることを任せない
限られた時間の中で効率よくトレーニングを行うには、これらの原因の対策をしなければいけません。
次はこれらの対策について解説していくよ!
待ち時間を減らすための3つのコツ
1.練習の準備を事前に行う
事前準備が、良い練習にするための9割を担っています。
具体的には、以下の点に注意しましょう。
- 練習のメニューを決めておく
練習のメニューを決めておくことで、選手が準備や移動にかかる時間を短縮することができます。また、練習の流れをイメージしておくことで、練習の進行が遅れたり、選手が休憩や準備に時間を取られたりする原因を防ぐことができます。
- 必要な道具や用具を準備する
必要な道具や用具を準備しておくことで、練習開始時の待ち時間を減らすことができます。また、練習中に道具や用具が足りなくなった場合の対応も事前に準備しておきましょう。
- 選手やチームスタッフへの周知を行う
練習のメニューや必要な道具や用具などを、選手やスタッフに事前に周知しておくことで、準備や移動にかかる時間を短縮することができます。また、練習の流れや目的(テーマ)などを理解してもらうことで、選手のモチベーションを高め、集中力を維持しやすくなります。
こういった入念な準備が、良いトレーニングをするための第一歩です。
何も考えずに練習を始めると、選手や他のスタッフも混乱する原因になるね!
入念な準備を心がけよう♪
2.練習の流れを効率化する
練習の人数設定を工夫することで、待ち時間を減らし、トレーニング効率を向上させることができます。
- 一人当たりのプレー時間を考慮する
どんなにこだわった練習メニューをしても、一人当たりのプレー時間が少なければよい練習とは言えません。トレーニングで大事なことは反復です。
- 練習の目的や内容に合わせて人数を調整する
練習の目的や内容に合わせて人数を調整することで、より効果的な練習を行うことができます。例えば、個人技を磨く練習では、一人当たりのプレー時間を長く取るために、人数を少なく設定するなどの工夫ができます。
- 複数のグループに分けて練習を行う
複数のグループに分けて練習を行うことで、待ち時間を減らすことができます。例えば、ポジション別にグループ分けして練習を行うことで、選手が同じポジションの選手と練習を行うことができ、より効果的な練習を行うことができます。
人数設定以外の部分では、次のメニューに入る前にグリッドの作成を終わらせておくこと、道具の管理、グルーピングなどスムーズに練習を進めるための工夫が必要になります。
メニューによって適正な人数をイメージしておくことが大事だね!
あとは段取りよく進める努力が必要になるよ♪
3.選手やチームスタッフと協力
選手やチームスタッフと協力することで、待ち時間を減らし、トレーニング効率を向上させることができます。
・選手に道具の準備を手伝ってもらう
一人ですべてのことをやろうとすると時間がかかります。サッカーのピッチは広いですし、道具もたくさんあります。例えば一つ目のメニュが終わって給水に入るとき、その時に使ったマーカーやコーンを片付けるとします。選手に「今使ったマーカーを集めてきて!」と言うだけで、一瞬で片付くことができます。
- チームスタッフの役割分担を明確にする
チームスタッフの役割分担を明確にすることで、待ち時間を減らすための取り組みをスムーズに行うことができます。また、選手やチームスタッフが自分の役割を認識することで、責任感を持って取り組むことができます。例えばグループ分けをして誰がどこを見るかなど。
チーム一丸となって練習の効率化を目指そう!
トレーニングの改善例を画像で解説
まずはこちらの画像をご覧ください。
青がコーチたちで、黄色が選手になります。
よくある対面パスの練習です。パスをしたら反対サイドに走るというシンプルなメニューとします。
この画像を見て違和感ありませんか?
まず、選手の人数を数えてみましょう。
15人いますね。そしてコーチが3人います。
この場面を適切な状況にしてみたいと思います。
あきらかに変化しましたね。
では、どのような工夫がされているのか解説します。
まずは人数の設定ですね。5人ずつくらいで行うと選手の待ちがなく、連続してプレーをできるでしょう。一枚目の画像と同じ時間のトレーニングだとすれば、一人当たりのボールタッチ数が3倍になります。しかも集中が切れることなくトレーニングをできます。
次にコーチの立ち位置です。各グループに1人ずつ配置してみました。2人しかいない場合でも分担しながら見ることは可能です。そして足元には予備のボールがありますね。これは、選手がミスしてしまい、ボールが遠くに行った際、すみやかに配球してあげられます。
最後にマーカーの色分けです。トレーニングに入るときに「同じ色のマーカー同士で対面パスやるよ!3人と2人で別れて」と簡単に説明をしてあげるだけでイメージがつきやすくなります。これにより素早くプレーを行えます。
初心者コーチだと1枚目のような状況になっていることが多いよ
練習の適正な人数、コーチたちの配球がプレー時間を増やすポイントだね!!
まとめ
今回は効率の良い練習をするためのポイントを解説しました。
練習前の準備段階から始まり、トレーニングの工夫、選手やコーチとの協力の重要性について理解していただけたと思います。
何度も言いますが「選手のプレー時間の確保」「反復」これがキーワードです。
もちろん、いきなり上手くいくわけではありません。
指導者もいろんな経験をしながら学び、良いトレーニングができるようになります。
是非、今回解説したことを意識しながら普段のトレーニングに臨んでください。
意識をするのとしないのでは大違い!
選手たちにとって最高の環境を作ってあげられるのは指導者の努力次第だよ♪
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